最近の就活生の意識
2016年9月28日日本経済新聞朝刊に「データに見る新入社員」という見出しで、最近の就活生の意識調査記事が掲載されていました。現代の若者の想いが語られているので紹介してみようと思います。
■データに見る新入社員
(以下全文を紹介)。“真新しいスーツを着た若者たちが期待と緊張、半々の表情で入社式に臨む。全国各地の企業で毎春、繰り返される風景だ。だがデータに目をこらすと、新入社員像の変化も見えてくる。就活を巡る学生群像を描いた映画「就活戦線異状なし」が封切られた1991年。バブル経済は崩壊していたが採用への本格的な影響はもう少し先だった。学校基本調査によると、就職率(大学学部を卒業した学生に占める就職者の数)はこの年が81.3%で過去40年のピーク。その後2000年代前半には50%台にまで落ち込み、就活は冬の時代を迎える。当時と比べると、今の環境はよい。就職情報のマイナビが内定者らに聞いた、就活を表す漢字は17年卒までの4年連続で「楽」が「苦」や「疲」を抑えて1位。大学進学率の上昇で大卒者は増えているが、企業の人手不足感は強まっている。就活が相対的に「楽」だった新入社員たちは人生の目標も「楽」なのか。そんな思いを抱かせるデータがある。日本生産性本部が69年から毎年、新入社員対象に行っている「働くことの意識」調査。働く目的を尋ねたところ、一番多かった答えは「楽しい生活がしたい」で42%が挙げた。10年前に比べると割合は3ポイント上がり過去最高に。一方、90年代までトップになることもあった「自分の能力をためす」は12%で同8ポイント低下した。「どのポストまで昇進したいか」という質問に「社長」と答えたのは11%で過去最低。バブル崩壊後も00年代初めまでは20%前後を維持していたが、以後は低下傾向が続く。「経済成長が落ち着き、ほどほどでよいという志向が若者の間で強まっているのではないか」と同本部の担当者。もちろんワークライフバランスは大切。仕事に全力投球する元気を併せ持ってほしいところだ”(以上記事の抜粋)。
このような現代大学生の意識調査であるが、1989年バブル崩壊から2008年リーマン倒産に至る企業のマインド低下が原因でリストラが進み2000年台前半から今日まで、大学生であった人たちのご両親がその影響をまともに受けてしまったことに原因があると考えられます。悩む両親を見て育った世代は、冒険より安全を望みその結果として楽な人生を模索しているともいえるのではないでしょうか。ただ、考えようによっては、「自分の能力をためす」と答えている学生が12%、「社長になりたい」と答えている学生も11%存在するので、こんな前向きな学生に引っ張られるカタチで意識も今後変化してくるのではと思われます。若いという特権。それは体力がある。知力がある。無理もきく。こんな要素を活かしながら社会の荒波を乗り越え、後悔しない人生を送ってくれることを望んでいます。