内定を出すタイミングは!?
皆さんは、新卒採用時、内定を出すタイミングについてどうお考えでしょうか。2016年にかぎって考えてみると、3月1日採用に関する告知が解禁、そして6月1日から採用活動が解禁となりましたので、内定は6月1日から可能ということになります(経団連加盟企業の場合)。一部の報道では経団連加盟大企業でも内定のフライングが報道されていますから、実際は4月中や5月中に内定がかなりの確率で出されていると思われます。内定を出すタイミングは?このテーマで考えてみたいと思います。
■内定ホルダー?当世学生気質
内定を出すタイミングは早いければ早い方がイイ。皆さん、こう考えていませんか。確かに就職活動に臨んでいる学生は確かに内定をもらいたがっています。内定をもらえればプレッシャーを受けたりストレスを感じたりする就職活動はもう金輪際しなくてもいい。そんな学生心理から考えると内定を学生に伝えるのは早ければ早いほどいいように思えますね。確かに不真面目でものぐさなわたしなどの輩は内定をもらって早々と就活を終えてゆっくり学生時代を満喫して過ごしたいと考えます。しかし真面目で少しでも自分の納得する企業に入ろうと考えている学生にとって、内定はひとつの勲章みたいなもので、自分が納得する(納得する企業に入る)まで就職活動を続けようとします。自分が納得するまで就職活動に専念したい。これが今どきの就活学生気質です。
■内定を出したら企業側が選ばれる立場に!
そんな学生に対して早々と内定を出すとどうなるでしょう。企業にとって内定を出すということは、そこで自社採用活動を終息させることとなります。内定を出した学生が全て入社してくれるといいのですが、実はそうはいきませんね。他社からとったり他社にとられたり。歩留りを考えていくぶん多めに採用できる企業(これは大量採用する企業ほど有利)であればそう問題視することはありませんが、数名規模で募集している企業であれば学生1名の辞退は深刻です。内定を出す=今度は学生から選ばれる立場に形成が逆転します。内定を出す→採用活動を終息させる→学生が辞退する→タイミングを逃す→結局採用できない。こんな考えたくもない図式が出来上がってしまうのです。反対に内定を出すタイミングが遅かったら・・・。この場合、今度は、欲しい学生がすでに他社に就職を決めてしまっていて今さら何?となってしまいます。
■中小企業は7月内定
では、どんなタイミングで内定を出せばいいのでしょうか。これは、大企業の場合、2016年で考えると、6月(あるいは6月以前)、中小企業であれば7月ということになるでしょう。中小企業の場合、大企業の動きに関わらず7月がベストです。これは大企業の採用活動が一段落したあと、中小の採用活動(内定出し)が一斉に始まるので、この時が学生獲得の勝負となります。この時学生に対しすぐに内定と伝えるのではなく、自社の優先度(他社と比べた時の入社優先度)を学生にまずは確認し、採用の意思を伝えると同時に、入社の約束を学生からもらうことが肝要となります。こうすると学生も入社したいし企業側も採用したい、両者のベクトルが一致するので、ほぼ確実な採用(人数確保)ができると考えます。
入社の意思を伝えたにも関わらず学生から入社意思の確約が得られない場合は、他の学生に切り替える可能性も示唆し、学生の返事の期限を切って他の学生獲得へと動いた方がベターです。前述のような回答をする学生の場合、他社を選ぶ可能性が高いからです。