就活にあたって企業に改善してほしいこと
大手就職ナビのマイナビ実施のアンケートで、就活生が企業側に改善してほしいこととして具体的に11項目を挙げています。
それを見ていきたいと思います。もし貴社がいくつかを改善できれば、今後、いい学生と巡り会うチャンスが増えるかもしれません。
学生が改善希望として答えている11項目中、希望が多い順にひとまず全ての改善希望項目を見ていきましょう。多い順で記載していきます。
①選考結果にかかわらずきちんと通知してほしい。
②合否の理由を教えてほしい。
③採用スケジュールを公開してほしい。
④会社の良い面だけではなく悪い面の情報も提供してほしい。
⑤人事担当者以外の社員に話を聞ける機会を増やしてほしい。
⑥就活時の服装に関する指示をしてほしい。
⑦面接は個別で実施してほしい。
⑧個別企業説明会の枠を増やしてほしい。
⑨エントリーシートを廃止してほしい。
⑩インターンシップの参加可能枠を増やしてほしい。
⑪インターンシップを実施してほしい。
というものでした。
では、それぞれで企業の思惑や学生の気持ちを分析してみたいと思います。
まずは一番希望の多かった、①選考結果にかかわらずきちんと通知してほしい。
これは、採用決定者にはその旨を通知するが、不採用者には通知しないという企業慣例に対する改善希望です。企業側としては事務手続きが煩雑になるということと不採用者には連絡が憚られるといった心理も働いているのかと推測されます。学生にとっては、採用決定であれば結果がはっきりわかって次の行動を決めやすいが、不採用の場合連絡が来ないこともあるので、全ての企業に不採用の場合でも連絡を望むということでしょう。
②の合否の理由を教えてほしい。
学生にとっては自分がなぜ採用されたのか、なぜ不採用だったのか、心理としては知りたいと思われます。採用された場合、自分のどのような点が評価されたということを理解することで、入社後会社にどのようなチカラを発揮していけばいいのかが把握でき仕事に向かう活力が生まれてくるでしょう。
また不採用の場合は、どんな点がいけなかったのかを理解することでその弱点を強化し次の会社の面接に活かすこともできます。ただ、企業側にとっては①の選考結果の通知よりも多大な事務手続きの煩雑化が生まれてしまいます。
③採用スケジュールを公開してほしい。
これは学生が今後の採用スケジュールを把握することで他社も含めた予定調整をしたいという希望が根底にあるのだと思われます。採用スケジュールの伝達は企業側にとってもそう労の多いことではないので、ぜひ伝えてほしいものです。
④会社の良い面だけではなく悪い面の情報も提供してほしい。
これは企業側にとってはちょっと厄介な希望かと思われます。企業は当然イイとこ悪いとこがあって組織や個人によってその捉え方も違ってくるので、発言も慎重に行う必要があるかと思われます。でも学生にとってはイイとこばかりではなく悪い(弱い)点も知りたい。知った上で判断したいと思うのはしごく当然な希望かとも思います。
⑤人事担当者以外の社員に話を聞ける機会を増やしてほしい。
人事担当者は採用のプロ。プロの言うことだけではなく、一般の社員から忌憚ない平易な話を聞いてみたい。これも学生にとっては望むところかと思います。一般社員の負担が増えることになりますが実施してあげると学生にとって親近感も生まれ採用活動にいい結果をおよぼしそうです。
⑥就活時の服装に関する指示をしてほしい。
ほとんどの就活の場面ではリクルートスーツが多いことだと思います。ただし、IT系を中心に私服着用が普段の仕事着としてごく自然の場合、学生にとっては服装をどのように対応したらいいのか判断に苦しむことになるのかもしれません。リクルートスーツ着用でなくてもOKの場合、その旨を伝えてあげてもいいのではないでしょうか。
⑦面接は個別で実施してほしい。
面接は集団/個別とシチュエーションによって分けていると思います。集団面接の利点、個別面接の利点、それぞれあります。受ける側からすると、やはり集団面接は避けたいというのが本音かと。集団では自分ひとりではなく周りにライバルがいて、人によってはその影響を受けやすい人もいることでしょう。ここはじっくり面接に臨みたいという学生の希望もよく理解できる話です。
⑧個別企業説明会の枠を増やしてほしい。
これも面接と似た話となりますが、合同説明会ではゆっくり企業研究するというより、参加企業と多く出会うことが目的となってしまいます。企業を絞り込む前であればいいのですが、ある程度絞り込んだ後では、個別説明会でじっくり企業側の説明を聞きたいということももっともな話です。個別説明会実施となると会場や企業側人員確保の問題もあるのでしょうが、できるだけ増やしてあげたいものです。
⑨エントリーシートを廃止してほしい。
エントリーシートは学生の考え方を確認するという意味では企業にとっては履歴書以上の判断資料になることも多いと思います。しかし学生にとっては、履歴書とエントリーシート両方の提出ということになると応募書類作成時かなりの負担増しとなります。売り手市場の今、企業も考えた方がいい問題かもしれませんね。
最後に、⑩インターンシップの参加可能枠を増やしてほしい。と、⑪インターンシップを実施してほしい。
インターンは、企業側から考えると大変な負担がかかります。それは、学生の受け入れ態勢の確保、社員の対応、対外的配慮、などなど。こんなことからまだ実施企業は少ないのですが、今年の採用(就職)戦線では、インターン採用企業が増えています。これも昨今の売り手市場を受けての企業側対応ですが、負担と効果のバランスをみて実施如何を検討する必要があるでしょう。