面接時、応募者にこう聞きたい!
面接時、応募者にこう聞きたい。“おこられたこと”
面接官であるあなたは、面接時に応募者に、どんなことを質問しているでしょう。質問の内容や聞き方で、面接官が受け取る情報に差が出てきます。つまり採用するべき人なのかそうではない人なのかの判断材料が、どんな質問をするかでとれたりとれなかったりするわけです。こんな質問をすれば(こう聞いていれば)応募者の別な回答を引き出せ違った判断ができたのに・・・。採用はしたけれど自社に合う人ではなかった、と後悔しないように、面接時の質問項目もよく吟味して面接現場に臨みたいところですね。今日は、面接時、応募者にこう聞きたい!シリーズ第五弾として、“おこられたこと”を聞いてみましょう。
■怒られたことを思い出してください。
皆さん、怒られたこと、ありますか。きっと、皆さん、ひとつやふたつおありでしょう。ひとつやふたつ・・・?そんな数では済まないといった猛者?もいらっしゃることと思います。人は起こられて育つものです。小学校のころ野球でホームランを打って隣家の窓ガラスを割って隣のおじさんに怒られたこと、学校で友達にからかわれカッとなって殴ってしまい先生に怒られたこと、兄弟げんかをしてお母さんに怒られたこと、中学校時代いたずらをして先生に怒られたこと、高校時代学習塾をさぼってお父さんに怒られたこと、大学時代にアルバイト先でミスしたことで先輩に怒られたこと、社会人となって仕事でお客さまに迷惑をかけて上司に怒られたこと。こう考えると皆さん、怒られたことはひとつやふたつどころではないのではないですか。
■面接で怒られたことを聞く価値
では、どうして、面接時に、怒られたことを聞くと、その応募者が自社に向いているのか、あるいは、仕事に適性はあるのか、既存社員とうまくやっていけそうなのか、がわかるのでしょうか。面接時に、怒られたことを教えて、と聞くと、ほとんどの応募者はこの予期せぬ質問に一瞬ちょっと意外な顔つきをします。続けて面接官は、「小学校時代でも中学時代でも、また大学時代でもOKですよ。ご両親から、また友達から、また先生から怒られたことを何でもいいから思い出して差支えない範囲で教えてください」と伝えます。そうすると応募者は暫らく思案してから教えてくれます。「そうですね。怒られたことはあまり記憶にないのですが、思い出すのは、中学時代の担任の先生から、お前は少しワガママなところがあるので自分の意思を伝える時周りのことを一度考えてから伝えるようにした方がいいと言われ、大いにはっとして、それ依頼まず周りの考えを聞いてから自分の意思を伝えるように気をつけました。」このような回答があれば、その人はまずは素直な性格の持ち主で人の忠告をよく聞き入れ自分を律して自らを変えていける人なのではないかという推測をすることができます。次にこんな人はどうでしょうか。「大学時代、サークルの部長をやっていましたが、その時、サークルの先生からもう少しチームをまとめるようにと注意されました。原因は、サークルの方針を考える時、自分の意見を言い過ぎてしまい、みんなが離れてしまったことがあったのです。」こんな回答です。「それであなたはどう対応したのですか。」「いろいろ考えた末にサークルの部長を辞任することにしました。」「それはどうしてですか。」「やはり自分の考えが正しいと思っていたのでそれを翻してまでサークルをまとめていく気持ちがなくなってしまったからです。」この回答は次の判断を導きます。自分本位の考えの持ち主で自己顕示欲が強い。会社に入ったら同僚や先輩と軋轢が発生しマイナス方向に組織をベクトルする可能性が高い。これら二つのケースで比較した場合、前者は採用、後者は不採用の判断ができるでしょう。
■おこられたことではウソはつけない
おこられたことを聞くと、その人のいろいろな分野の情報を得ることができます。家族との関係や友人との付き合い、その際の考え方やモノの見かたなど、多面的に情報が得られます。そこで得た情報を現在の会社が行おうとしていることと対比して、採用した方がいい人財なのか、そうではないのかの選定が可能となります。おこられたことはもともとその人にとってマイナス情報になるのでおこられたことを語ることでウソはつけません。つまりいい話への操作がしにくいのです。これとは逆で、「褒められたことを教えて」と尋ねた場合、褒められたことを過大操作して大風呂敷を広げて語ることは可能ですね。もちろん、おこられたことを隠して、「おこられたことはありません」と答えられたら判断する術はないのですが、その時はひととなりを見て、「本当に怒られたことがないような人物なのかどうか」の判断をするべきだし、この場合、それは意外と容易にわかるものなのです。