面接時、応募者にこう聞きたい!
面接時、応募者にこう聞きたい。“仕事で実現したいこと”
面接官であるあなたは、面接時に応募者に対してどんなことを質問していますか。質問の内容や聞き方で、面接官が受け取る情報に差が出てきます。つまり採用するべき人なのかそうではない人なのかの判断材料が、どんな質問をするかでとれたりとれなかったりするわけです。こんな質問をすれば(こう聞いていれば)応募者の別な回答を引き出せ違った判断ができたのに・・・。採用はしたけれど自社に合う人ではなかった、と後悔しないように、面接時の質問項目もよく吟味して面接現場に臨みたいところですね。面接時、応募者にこう聞きたい!シリーズ第二弾。今日は“仕事で実現したいこと”を聞いてみましょう。
■仕事って何だろう。
仕事って何でしょうか。わたしは新卒対象会社説明会でいつも学生にこう質問します。これを受けて学生は、自分を磨くためのもの。イキイキと生きていくために仕事をしたい。社会を生きていくために必要不可欠なこと。生活するために働かなくてはいけない。このような答え(もっとたくさんありますがほぼこんな範疇の答え)が返ってきます。質問自体が漠然としたものなのでいろいろな答えが帰ってくるのは当然の結果です。でも私が学生のみんなに求めている答えは、実は次のひとことなんです。仕事とは、“プロ意識を持った人が行うプロとしての社会サービス活動”である。今まで(学生時代)、学校や授業は皆さんお金を払うことによって教えてもらい知識を得ていました。ところが、社会に出たとたん(会社に入社して)もう初日からりっぱなプロなのです。(社会に出てすぐの人間がプロとはおこがましいとおっしゃる意見も重々承知)。それは何故か。会社に入社したその日から給料が出ているからです。給料が出るってことは仕事をして稼いでいる人。つまりプロですよね。会社の中では今日入社したばかりでもちろん仕事なんて出来るわけはありません。なので会社の中ではアマチュアです。会社内の人はみんなわかっています。ところが外の人(お客さまや取引先)から見るとそんなことはつゆほどもわかりません。たとえば電話をかけてきたお客さまは電話をとった窓口の人が今日入社したばかりの新入社員とは電話口ではわからないのです。なので、この場合、やはり、りっぱなプロ。ですね。ですからそういった意識(プロ意識)を持つことがとても重要。電話をとる時もプロ意識です。“仕事とはプロ意識を持ったプロとしての社会サービス活動”だからです。
■仕事で実現したいこと。
そんなプロとして今後人生仕事を行っていくわけですから、仕事で実現したいこと。これはやはりプロとしての結果。つまりズバリ報酬です。新卒採用面接でこのことを聞くと、実はみんな口をそろえたほどこの核心には触れてきません。代わりに自己実現とかスキルアップといった答えが返ってきます。もちろんそれも間違いではありませんが、随分抽象的すぎますね。所得を上げていきたい、自家用車を購入したい、マイホームを建てたい、こんな具体的目標を持ってそれを伝えて欲しいと思うのです。お金や物のことを話すと何か損得だけの志向性を持っていると思われると思いがちなのかもしれませんが、実はこれらを実現するためには、先に触れた自己実現やスキルアップがなければ結果はついてこないものばかりです。面接官であるあなたには、ぜひ、この仕事で実現させたいことというテーマで応募者に質問していただき、仕事をしていく上でより具体的目標を掲げることのできる人を採用してほしいと思います。目標に設定するものはけっして抽象的なものではいけません。より具体的な目標をかかげそれに邁進することが仕事ではとても大事ですから。
■もちろん、報酬だけではない。
もちろん報酬は最終的目標にはなりません。なぜなら、報酬は上をみれば限度がないからです。500万円より1千万円、一千万円より3千万円、いやいや一億円、時には3億円。こんな風に上を見ればきりがないのです。少し脱線しますが、年収三億円あったとしたら普通の生活では使い切れるわけがありません。5万円のフランス料理、3万円のお寿司、2万円の中華料理。毎日こんな料理ばかり食べられないのです。時には家でゆっくりお茶漬けとお味噌汁が欲しい時もあります。三億円を使うためには1本20万円のワイン、3,000万円の自動車、2億円のおうち。こんな通常では必要のないお買いものが必要になります。ある一部の人たちを除いてはこんな生活は望んでいないでしょう。では、報酬はそこそこに、いったい何が必要なのでしょうか。それは、自分の存在を認めてくれる環境です。自分がいないとその環境(会社でもおうちでも)がうまく機能しないと思えるポジションです。つまりモチベーションを維持できる“自分が必要とされる環境”です。採用や人事担当者は、もちろん自分自身の環境も含めて、いかにその人が必要とされる仕事環境を用意してあげられるのかを熟考する必要がありますね。