説明会で質問受付時間を設ける効果
会社説明会で質問受付時間を設けている企業は多いのではないでしょうか。大手企業の説明会のように何十人規模で行う場合であれば、会場の広さや実施時間の関係上、質問時間の設定は難しいかもしれません。また参加者にとっては大勢の前では質問しにくいといった雰囲気もあるかもしれませんね。しかし、十数名規模の説明会であれば充分質問時間は取れるでしょうし、その時間を有効に活用することで才能ある応募者を絞ることも可能になります。新卒向けの会社説明会を開催している企業に質問時間の使い方を取材しました。
■新卒採用もキャリア採用も説明会開催
当社の場合、説明会は、新卒向けとキャリア採用の両方で開催しています。いきなり面接ということでは、応募していただく方にとっても、会社の内容で未知の部分が多いと思うので、一度説明会にご参加いただいてから、履歴書を提出してもらうかどうかを判断していただいています。キャリア組の場合、個々の応募が殆どなので必要に応じてそのつど開催していますが、新卒の場合は就職活動時期がほぼ同じということもあっていつも十名前後の人数を集めて開催しています。今年は3月が就職情報の解禁だったので、3月から説明会開催の告知を行って4月と5月に説明会を20回ほど開催しました。十名前後の参加を募りますが、参加率は約5割前後といったところで参加人数は5名前後です。
■魅力あるコンテンツを考える
説明会開催時間は約90分です。説明会の内容としては、本来当社のPRのみ行いたいところですが、それでは参加する学生にとって魅力を感じられないと思っています。当社の場合、業界展望や業界勉強会の内容も加えて学生にとって参加意欲の湧く内容として開催しています。コンテンツは、①業界展望(はたして就職していい業界なのか?)→②業界勉強会→③当社の特長と魅力→④職種ごとの適性を考える→⑤質問コーナー。このような流れで話を進めていきます。学生は毎回参加者が異なるので初めて聞く内容ですが、話す方は毎回同じことを話すわけで、はっきり言って疲れますがこれも職業柄仕方ないと半ばあきらめています。
■一番時間をかける質問コーナー
全体の時間の割り振りですが、①業界展望=10分、②業界勉強会=10分、③当社の特長と魅力25分、④職種ごとの適性を考える=15分、⑤質問コーナー=30分。このように質問コーナーに一番多く時間を割いています。当社の場合、学生には必ず一人一質問ずつしてもらうようにしています。学生にもその旨を伝えます。もちろん質問したい人には質問数に制限は加えません。こうすることで、学生にとって参加意識の向上にもつながり、当社を見る目の印象が上がると考えています。また引っ込み思案の学生にとって一度の発言によって落ち着きを取り戻す効果も狙っています。
■質問時間はアプローチに使える
質問コーナーの一番の狙いはターゲット学生にそれとなくアプローチすることです。質問内容によって学生の資質が垣間見えます。当社に興味を持っている学生は質問ひとつではなく三つも四つも聞いてきます。こちらも波に乗っててきぱきと応えます。質問内容によって即答しかねる場合(殆どありませんが・・・)は後日メールで返信するようにしています。質問内容や話し方で目ぼしい学生をピックアップします。最後に履歴書を提出してもらいます。当日持ってきている学生には当日出してもらうよにお願いし、当日持ち合わせていない学生には後日郵送を促しますが、優秀な学生ほど履歴書等の提出物はその日に出せるように持参しているものです。(後日郵送してくるような人でこれはといった学生は経験上殆どいません)目ぼしい学生が履歴書を提出してくれたら時間をおかず一時面接の連絡をして獲得につなげていきます。
■説明会は少人数で実施が効果的
このインタビューで勉強になることは、説明会を少人数で実施する効果です。少人数であれば学生の一挙手一投足が把握できて、採用側にとって集団面接のようなカタチでも利用できます。確かに人数を多く集めてまとめて行う説明会と比較すると回数を多く開催する必要があるので手間がかかりますがそれだけの効果がありそうですね。参考になります。