説明会では既に採用選択が始まっている!
説明会は説明会だけ、で終わらせるのではなく、
採用の選択のスタートとして考えてみてはいかがでしょう。
取材した某会社の場合ですが、説明会が簡易的な一次面接となっています。学生側から考えると、面接回数はできるだけ少なく済ませ内定まで進みたいという希望があります。企業側はこれとは真逆で、できれば何度でも面接して適性を確かめたい。というのが本音でしょう。しかし、他社との競合を考えた時そんな悠長なわけにもいかないので、面接は二次面接まで。できるだけ早く内定を出す。面接を行ったとしてもせいぜい三次面接まででしょう。
こんな場合に説明会を一時面接の場として利用してみてはいかがでしょうか。この時、説明会に100人も学生が来てしまってはなかなか難しいかもしれませんが、フェイストtoフェイスでできる少人数制説明会が開催できれば、学生の資質を大まかには把握することができます。
説明会の要領はこんな風です。
人数は15名~20名程度の定員にします。
説明会にやって来た時間順と学校名と名前を受付でチェックします。早く来た順番で前から座ってもらいます。早く来た人が前から座っているので、説明会開催時には履歴書がなくても既に学校名学部名が話し手は把握できています。時間になったら説明会開催です。
説明会開催の事前告知で、自社のことだけではなく、業界の説明をするので、当社応募希望の人に限らず、気軽に広く参加してほしい旨の告知をし多くの母集団を集めるようにします。こうすることで、狙っている学生層よりも学力上位校の学生も参加してくれるようになります。会社の中身にもよりますが、中小企業の場合、その企業規模・採用実績から成績上位校の学生はなかなか採用できないかもしれませんが、成績上位校の学生が説明会に参加してくれ、もしも自社に興味をもってくれたとしたらこれは儲けものと考えてみてはいかがでしょう。参加してくれないかぎり永久にこんな機会は作れませんので、やはり、最初に考えるべきことは、“いかに多くの参加者(母集団)を集めるのか”ということになるかと思います。
説明会は、まずは、パワーポイントをプロジェクターで投影して業界説明から始めます。まずは、業界動向を話して、この業界の将来性を語ります。次に自社のことを話します。最後にどんな人がこの業界に向いているのかを話します。全体の話は1時間で、その3割を業界動向、4割を当社の説明、残り3割を適性の話で使います。説明会予定時間は1時間30分です。
残りの30分は質問時間に使います。実は、この質問時間が最も大切にしてほしい時間帯です。業界説明や会社説明している時も、学生の聞き方や表情で、だいたいの資質はわかりますが、質問時間ほど濃厚ではありません。やはり、質問時間が一番資質を把握しやすいのです。この質問時間に受けた資質の印象は、7割程度の確率でその後の面接時でも変わることはありません。(説明会で感じた資質の有無や仕事への適性はほぼ当っています。)第一印象はあまり狂わないと思います。そして、質問時間では、必ず、ひとりひと質問はしてもらうことにします。学生の場合、企業人と話すことに慣れていないことや、説明会という見知らぬ環境下、人前で話すことに抵抗を感じるのは当たり前なので、あえて企業側から促して質問させます。質問することで学生の説明会参加意識も高まります。また私見ですが、質問することで、企業への参加意識みたいなものが出てきてその状態のまま応募してくれる確率が高まる気がします。質問させてみると、まずは学生の現状把握能力をみることができます。説明会内容は学生にとっては初めて聞く情報です。初めて聞いた話について即座に自分なりに分析して質問してくるわけですが、学生によって、的を得た質問をする人と、的外れの質問をする人がいます。ここで、仕事への適性がわかります。的を得た質問をする人は、実際の仕事でも的を得た質問(ヒアリング)をすることができるので、現実的に最短距離で仕事を推進する能力を発揮します。的を外した質問をする人は、現実の仕事でも的を外している分、苦労することになります。フェイスtoフェイスの説明会では、この他に、学生のイキイキとした表情とか、輝く目であるとか、洋服のセンスであるとか、立ち振る舞いであるとか、いろいろとつぶさに観察することができます。
説明会は学生と企業が初めて接する接点であり、早い段階でお互いの相性を確認できる場です。うまく説明会の場を利用することで、いい学生、資質の高い学生に巡り会うことが期待できるのです。