採用~社員になったら。正しく敬語を使う。
敬語のつかい方は意外と難しい。普段何気なく使っている敬語ですが、確実に使いわけられている人は少ないと感じます。面接時にも相手を敬う、自分はへりくだるという敬語のつかい分け、言葉のつかい方は、応募者側からみて会社イメージを上げるためにも大切だし、採用側からみても応募者の会話力のステージが見えてきてひとつの判断の基準ともなります。
今回はそんな敬語の使い分けに関して考えていきます。
■尊敬語と謙譲語と丁寧語
敬語は、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つから成り立っています。
尊敬語は相手を敬う言葉です。謙譲語とは自分をへりくだった立場において語る言葉です。丁寧語とは文字通りていねいに語る際に使用する言葉です。
たとえば電話の応対に関してお話しします。
電話をもらった相手に対し、「〇〇さま。このたびお電話を頂戴いたしまして誠にありがとうございます」。相手に尊敬の念をもって言えばこうなります。続けて、「〇〇はただ今、席を外しています。戻り次第折り返し電話させていただきたいと思いますがそのような対応でよろしいでしょうか」。担当者が席を立っていた場合の受けの言葉はこうなるでしょう。この時、自分たちのことをへりくだって言うので、席は席、電話は電話です。これをお席とかお電話と普通言わないでしょう。
しかし観察していると大部分の人で「お電話させます」という言い方をするのを耳にします。これは相手に対し丁寧に表現したい気持ちの表れ?でしょうか。似たような言葉のつかい方に、「お見積りをお送りします」とか「ご請求書を発行します」とか「ご訪問します」と使うことがあります。見積もりを送るのも、請求書を発行するのも、訪問するのも、自分の方なので、この場合は「見積もりを送ります」、「請求書を発行します」、「訪問します」という表現に本来はなるのではないかと思います。お見積り書もご請求書もご訪問という表現も相手に対する尊敬の念をもって丁寧語として使っていると考えられます。
■尊敬語、謙譲語で表現するとこうなる
「言う」これを尊敬語では「おっつしゃる」、謙譲語では「申し上げる」です。丁寧語はその言葉どおり「言います」です。
以下、通常表現、尊敬語、謙譲語の順で紹介していきます。(丁寧語は全ての言葉で、「〇〇します」、という表現になるので今回は割愛させていただきます)。
「思う」は「思われる」「存じる」。
「書く」は「お書きになる」「したためる」。
「考える」は「お考えになる」「拝察する」。
「見る」は「ご覧になる」「拝見する」。「聞く」は「お聞きになる」「拝聴する」。
「会う」は「お会いになる」「お目にかかる」。
「帰る」は「お帰りになる」「失礼する」。
「行く」は「行かれる」「伺う」。
「来る」は「お出でになる」「参る」。
「いる」は「いらっしゃる」「おる」。
「する」は「される」「いたす」。
「与える」は「くださる」「差し上げる」。
「もらう」は「お納めになる」「頂戴する」。
「知る」は「お知りになる」「存じ上げる」。
「食べる」は「召し上がる」「頂戴する」。
「着る」は「お召しになる」「身に着ける」。
「読む」は「読まれる」「拝読する」。
「送る」は「お送りになる」「送付する」。
「買う」は「お求めになる」「買わせていただく」。
「飲む」は「お飲みになる」「頂戴する」。
「伝言する」は「お伝えになる」「申し伝える」。
ざっとこんな感じになります。いかがでしょうか。意外に難しいというのが率直な感想ですがあなたはいかがでしょうか。尊敬語、謙譲語、丁寧語をその場その場でしっかり使い分ける能力を身に着けたいものです。