大学出て就職する人、74.7%
2016年8月5日の日本経済新聞朝刊13面に大学就職率に関する記事が掲載されていました。それは「大学就職率上昇74.7%」と記事タイトルが付けられています。
大学就職率とは大学を卒業して就職する人の割合のことです。サブタイトルでは、「今春、6年連続改善正規雇用が増加」と紹介してありました。
そもそも、就職率74.7%という数字自体、高いものなのか、そうでもないのか。このあたりを考えていきたいと思います。
■4人に1人は就職しない現状
記事は「今春に大学(学部)を卒業した学生約55万9千人のうち、74.7%の約41万8千人が就職したことが4日文部科学省の学校基本調査でわかった。2008年のリーマンショック前の69・9%を上回った昨年からさらに2.1ポイント改善。6年連続で上昇した。」と紹介しています。
就職した人の割合が74.7%となっていますが、そもそもこの数字はどう捉えたらいいのでしょうか。大学を卒業した人のうち74.7%の人が就職をしたことになりますが、では逆算して、残りの25.3%のひとは就職していないということになります。つまり大学卒業者のうち4人に一人の割合で就職しなかった人が存在する、ということになりますね。この数字はどう考えたらいいのでしょうか。
■就職していない1割を雇用したい
就職していない人の内訳は、パートやアルバイトに就いた人が1.8%、進学も就職もしていない人が8.7%、大学院への進学者は12.1%となっています。大学卒業予定者100と考え、そこから-(マイナス)74.7-1.8-8.7-12.1を行うと2.7%。この2.7%の人は留年組?・・・なのでしょうか。大学院進学者12.1%組は大学院でより専門的な勉強をするという次の目標に向かっておおいに頑張ってほしいと思います。考えたいのは、進学も就職もしていない人8.7%とパートやアルバイトに就いた人1.8%の合計10.5%の人です。事情あって就職しない(できない)人は別ですが、そうではなく、めぐり合わせやタイミングの問題で就職しなかった(できなかった)人はできるだけ再就職の道を探ってほしいと願います。なぜなら今後は少子化がますます進み若年労働力が不足してきます。若い働き手は企業にとっても大切な財産となります。企業側も受け皿を増やし、第二新卒として、10.5%の人の就職支援ができる環境を創っていっていただきたいものです。
■早ければ早いほどいいが、タイミングもまた重要。
若いうちは自由が多いもの。若いうちに冒険や旅に出て遅咲きで人生を成功させて人もいます。大学を出てどんな道を歩むのが正解なのかはわからない人生ですが、一般論でいえば、できるだけはやく社会に出て会社での仕事を経験する(経験を積む)ことが、人生の成功への近道と考えます。仕事はやはり社会に出て現場で経験していくものです。本来であれば大学など行かずに中学や高校を出てすぐに社会経験を行った方が早く社会に出るいう意味合いではいいのですが、心身とも完全に成長していないその頃よりも、大学で勉強含め社会を診る能力ができ上がった22歳頃が社会人人生のベストタイミングと考えます。早くもなく遅くもなく、これがいいのです。ですからやはりここで一念発起して就職をし正規社員としての会社生活をぜひとも経験したもらいたい。この20代前半から中盤の仕事経験がその後の人生での姿を形成すると考えます。この時期、どんな仕事に向き合い、どんな人と巡り会うか。大事な大事なことなのです。