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多様化する働き方で採用も変化する

デジタル通信技術の発達。これはたとえば、自宅に居ながらの仕事を可能にするなど働き方の多様化を実現しました。また、少子高齢化。これは人財の活かし方の幅を語りかけてきています。新卒採用、中途採用においても、こんな働き方の多様化や若年労働力減少を、今そして将来において見据えながら、採用計画を考えていく必要があります。

■不妊治療休暇制度を導入する企業も

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2016年8月6日(土)の日本経済新聞朝刊11面に次のような記事が掲載されていました。(以下抜粋)。

「トヨタ自動車は5日、社員の不妊治療の支援を目的とした休暇制度を設ける方針を明らかにした。2017年1月をメドに新制度を導入し最大で年間5日程度休めるようにする。休暇期間中は無給とする方針。トヨタは在宅勤務制度の充実など少子化対策に力を入れており、新たな休暇導入は同様の仕組みが産業界に広がる契機となりそうだ。このほど労働組合に新制度導入の方針を伝えた。対象となる社員の範囲など詳細は今後詰める。働きやすい環境を整えることで、優秀な人材を確保する狙いもありそうだ。トヨタの人事部門は女性活用を目標の一つとしており、月内にほぼすべての総合職を対象にした在宅勤務制度を導入する。労組は17年にも工場出身の女性を執行役員に登用する方針だ。不妊治療を受ける人の増加に伴い、企業の間でも支援の動きが広がっている。パナソニックや三菱重工業などで不妊治療を目的とした休暇制度を設けている。」
(以上抜粋。)

■デジタル技術が在宅勤務を可能にする

どうして今(現在既に行っている企業はあるので正確に言えば20年ほど前から以前)まで在宅勤務ができなかったのでしょうか。それはコミュニケーションの問題が解決できなかったのだ、と言えます。

仕事はひとりで行うことはなく、全ての仕事には、コミュニケーション(双方の意思伝達)が存在します。会社(組織)で行う仕事は特にそうで、たとえば会議。今ではテレビ会議も当たり前という時代になっていますが、基本的にはひとつの場所に集まって行うことが常套手段。ひとつの場所に集まれば、その場の皆の表情が確認でき空気感も感じることができます。本来、フェイスtoフェイスで行うことがコミュニケーションとしては大事です。

しかし、大きな組織で、たとえば多くの人員を全国規模で一ヵ所に集めるとなると、みんなの移動交通費や宿泊費、会場選定が足かせになってしまいます。こんな時、たとえばテレビ会議をうまく使うことで時間や経費の大幅節約が実現します。在宅勤務もまったく同様ですね。PCがあれば文章も写真も映像も声もコミュニケーションできる時代です。自宅に居ながら仕事を進めコミュニケーションはデジタルツールを使って行えば、出社の必要はなくなるとも言えます。

このように今では出社が絶対必要とは言えない時代となったのです。

■マネジメントやモラル、自己管理ができれば

在宅勤務でのひとつの問題。それは働き手のマネジメントやモラルです。今までは会社に全員いました。会社に居るので、誰々さんがどこで何をしてるのか、一目瞭然でした。ちゃんと仕事をしてくれているのかサボっているのかすぐにわかったのです。

ところが在宅勤務となるとそこはまったく見えなくなります。お昼寝していても娯楽に高じていてもまったく把握できません。この場合、唯一できることは、仕事の成果で評価すること。これはお昼寝しても娯楽に高じていても、結果として、評価できるレベルの仕事を提供してくれているのであれば、問題なし、とするマネジメントです。考え方の転換で、会社にいても仕事ができなければ評価はしないし、自宅で何を行っていても結果としての仕事を提供してくれるのであればそれでよしとするものです。

ですから評価(マネジメント)する側もきちんと評価できるレベルを持った人が必要となります。在宅勤務を行える職種は限られた領域で、時間で縛られない職種、たとえばデザインや企画など専門の技術職、達成すべき明確な数字を持った営業員、などが該当してきます。これらの技術職や営業職は仕事成果が明確にあらわるので離れていてもマネジメントしやすいと言えます。仕事とは本来自分で考え創造していくべきものです。その仕事の場所が会社でも自宅でもそれはどちらでもイイのです。

■働き方が変われば採用も変化する。そんな時代が・・・。

会社は誰のためにあるのか、このことを考えると、今の時代、株主のためとこたえる人もいるかと思います。もちろん最終的には株主のために利益を創出していくのですが、その前に会社を支えているのは誰という考えを持つことが大事ではないか。会社を支えているのは紛れもなくそこで働く社員です。大企業でも。もしそこで働く社員全員辞めてしまったら。会社はまわりません。辞めないような環境づくりが大事ということになります。

先のトヨタの不妊治療を認めた休暇制度も、社員に、やっぱりトヨタはイイね、と思ってもらいたい経営側のココロの現れです。会社のために仕事は全力で取り組んでもらうけれど働きやすい環境づくりも会社側で用意する。こんな持ちつ持たれつの相互協力がこれから必要です。在宅勤務制度ひとつを考えてみても、もしそれが可能な職種であれば、おおいに在宅という採用制度を進めていけばいいでしょう。そうなれば、今まで採用のターゲットとして考えられなかった主婦層へのアプローチなんかも見えてきます。働き方が変われば採用も変化する。こんな時代がすぐそこまでやってきています。