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営業職。採用難で初任給上げ

2016年12月13日日本経済新聞朝刊5面に次のような記事が掲載されていました。
「採用難で初任給上げ 定着へ評価改訂営業職確保生保が苦心」どんな内容なのか記事を紹介しながら考えていきたいと思います。

■営業職確保 生保が苦心

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(以下記事の抜粋です。)
“生命保険会社の間で営業職員の初任給を引き上げる動きが広がっている。明治安田生命保険は来年8月以降の採用者を対象に5千~3万円程度上げる方針。すでに第一生命保険も今年4月に一律2万円引き上げた。雇用環境の改善で、「ノルマ営業」のイメージが残る生命業界で採用難が続いているためだ。業績評価の見直しで在籍者の囲い込みも進め、職員のつなぎ留めにも力を入れる。
明治安田生命は労働組合と交渉に入っており、妥結すれば9年ぶりの引き上げとなる。上げ幅は地域によって異なるが、業界では最高水準の日本生命と全地域で肩を並べるという。東京の都心部では約3万円高い20万円程度となる見通しだ。すでに住友生命と日本生命、第一生命が2014年から2016年まで3年連続で初任給を上げており、大手4生保が新人層の待遇改善で足並みをそろえる。

■初任給アップと評価システム改編で対応

総務省の労働力調査によると、各社が重要な戦力とみている35~39歳女性の就業率は15年時点で69.4%と10年間で約9ポイント上昇。景気の緩やかな回復や女性が働きやすい環境の整備が進み、「販売ノルマの印象を持たれる生保業界が敬遠されている」との指摘もある。
そのため各社は初任給の引き上げで採用難に対応しながら、評価システムの改訂なで働きやすい環境の整備で囲い込みを進めている。明治安田生命は来年8月に在籍者も含めた営業職員の給与体系を改定。契約を獲得してから2年間だけではなく、新たに3年間の継続率も加えることにした。アフターサービスなど地道な活動をより評価することで、職歴が浅くても成績を上げやすくし、離職を防ごうとしている”(以上記事の抜粋)。

■時短と待遇アップがここのところの動き

営業職評価にとって営業成績は切っても切り離せない評価項目となります。営業職が大変なのはその評価にいつも数字がついてまわることで、一般的に営業職が就職職種として敬遠されるのはこのことからです。成績が良いひとは会社からも評価、重宝され、成績優秀の結果として給与(所得)も高くなります。
成績優秀にみんななれれば会社側も営業員も問題はないのですが、実際はそうはうまく進まず、成績不遇者も出てきます。会社側は成績優秀者に高待遇を与えることにいつも躊躇しませんが、成績不遇者に高待遇を与えることは逆にできません。ここに給与を最初から高く設定することができないジレンマがあります。
先の新聞記事によれば営業職全員に数万円単位で給与ベースを上げているということですから、成績不遇者に対しても最初からある程度賃金を保証していこうという動きに世の中が進んでいるということになります。昨今の世情を考えると時間短縮・給与ベースの引き上げの方向に向かっていますから、新卒採用においても給与ベースの引き上げが必要となってくる時代もそう遠くはなさそうです。