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内定後にアルバイトしてもらう価値

内々定を出した学生に対し、辞退を防ぐ有効な手段にアルバイトがあります。アルバイト=つまりアルバイト待遇で仕事を経験してもらうこと。たとえると内々定後のインターンです。採用後の学生とのコミュニケーションに最適な方法のひとつです。貴社も検討してみてはいかがでしょうか。

■学生、企業双方にメリット

新卒採用活動は3月に広報活動解禁、6月に採用面接解禁という経緯を経て、6月~8月には学生に対し内々定を出していくスケジュールで皆さん動かれていると思います。企業特に中小企業にとって一番避けたいのは内々定後の学生の辞退です。これを食い止めるために各企業とも懇親会を開いたり内定式を行ったりといろいろ工夫しています。いずれにしても学生とのダイレクトなコミュニケーションが肝となっています。そこで検討したいのがアルバイト出社です。

インターンのことを考えてみます。インターンは学生にとっては就職活動前の有効な情報収集であるし、企業側にとってはインターンから個別セミナー(説明会)ひいては採用に結び付ける有用な採用活動です。この採用後バージョンが採用後のアルバイト出社です。学生にとってみれば自分が内々定を受けた企業の現場体験ができるし、企業にとっては学生とのダイレクトなコミュニケーショが図れる絶好の機会です。それに加えアルバイト体験によっていち早く仕事を覚えることも可能。

まさに学生にとっても企業にとってもメリットの大きい取り組みだと思います。

■アルバイト出社は9月で考える

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開始する時期としては、就職活動が一段落する季節、2017年卒採用(2016年採用活動)のスケジュールでいえば、9月がベストです。10月1日には各企業の内定式がありそれに出席してしまうとその企業の内定を断りづらくなる学生心理があります。もちろん内定式に出てその後に内定を取り下げても何ら問題はない(企業には拘束力はない)のですが、学生の心理としては断りにくくなってしまいます。そうなると複数の内々定を持っている学生は貴社ではなく他社へ最終の就職意思を決めてしまう可能性もあります。

そうなる前、内定式が行われる10月1日前の9月に、一度でも会社にアルバイトとして来てもらい自社の仕事の魅力や将来性を感じとってさらに社員とのコミュニケーションを図って会社の魅力をあらためて理解してもらうのです。アルバイトで一旦コミュニケーションがはじまるとそこに連帯感や帰属意識が生まれてくるため他社への気の転移を防ぐことができます。

アルバイトはどんな仕事がいいのでしょうか。

採用が決まっていても所詮は学生です。社会人としての仕事ができるはずはありません。もちろん仕事の成果を期待してはいけません。目的は内々定通知後に自社を最終就職会社として選んでもらうことだからです。
たとえばどの企業も新規でのお客さま獲得はいつの時代も命題です。その新規獲得活動のための手伝いを行ってもらったらいかがでしょう。

たとえば自社の営業員が新規アプローチする際のノベルティをネット上から探してもらう。営業現場でのプレゼンテーション資料づくりに参加してもらう。展示会開催運営のための見込み客リストを入力してもらう。新製品案内のためのパンフレットやカタログ類、ホームページの文字チェックを手伝ってもらう。エクセル処理やパワーポイント作成の手伝いをしてもらう。このように普段社員は忙しい中で手つかず状態になっている案件を新たなマンパワーとして手伝ってもらう。こんなアルバイト環境が与えられたら最高です。

ただここで注意したいのは関係者のコンセンサスです。あくまで目的は会社PRと仕事理解のためのアルバイト。その先には採用の確保があります。ここは社員とのコミュニケーションが大事になってきます。頼んであとは知らんぷりでは逆効果となります。その点アルバイトとして預ける先の社員にしっかり目的を伝えてアルバイトの意味合いを理解してもらうことが肝心ですね。