伝わらないを伝わるに変える技術
現在、話し方、伝え方で悩むビジネスマンが現代社会ではかなりの数います。新卒採用で優秀な学校の人材を獲得し、戦力として育てようと考えた時、一般のビジネスマナー研修に加えてぜひ行っていただきたいのが「伝え方」「話し方」の研修です。伝え方で悩む多くのビジネスマンの中には40代、50代のビジネスマンも少なくありません。学校を出て社会人となってすぐに伝え方や話し方を学べば、これからの会社人として仕事が充実してきます。そして会社運営も本人の生活も楽になります。
■論理的に話す
論理的に話す。これはどういうことかと言うと、筋道を整理してから話すということです。筋道を整理するとは、話したいことを整理することです。何だか禅問答のようですね。
よく話しているうちに自分でも何を言いたいのかわからなくなってしまい、頭が真っ白になってしまう人がいます。言いたいことを整理してその表現力をつけられればいつでもわかりやすく話しを進めることができるようになります。
よく目にするのが仕事の報告をするときに何を言いたいのかわからない人。これは、結論(自分が最終的に言いたいこと)を言わずに途中経過の報告に終始する人です。
仕事の報告でうまくいかなかった仕事を報告する場合によく見受けられます。うまくいかなかったので、うまくいかなかった言い訳をしたいので、ついつい途中途中の報告に終始してしまいがちです。これは心情としてはよく理解できますが、報告の仕方としてはうまくありません。うまく進まなかった仕事でも結論をズバリ言いましょう。
結論を伝えたら次にその理由です。理由は言い訳ではなく冷静な状況分析です。たとえ自分の能力不足の場合でもそこを冷静に分析して伝えます。結論は○○です。その理由は○○です。このような報告をしたいものです。
■結論→理由→背景を伝える
結論→理由とともに話した(伝えた)方がいいのが背景です。結論はこれこれ。理由はしかじか。そしてその背景はマルマル。こんな報告ができれば伝え上手と言えます。
たとえば車を売るセールスマンの例で話してみます。セールスマンは高級国産車をお得意様に販売したいと願っています。しかし今回はうまく販売できませんでした。店長へのその報告です。
「今回○○さんに○○の販売は難しそうです。理由として、○○さんは現在お乗りのクルマにまだ魅力を感じていらっしゃいます。新車で販売して既に8年が経過していますが車自体のトラブルも少なく○○さんの現在のライフワークにも合致しているご様子です。当社で提示している下取り額やローン条件には満足していらっしゃいますが金銭の問題ではなくお気持ちの問題のようです。ただし、生活背景をみるとご家族フル乗車の場合、今は現在のお車でもまだ何とか対応できますが、お孫さんが増えた際にはお乗換えをご検討いただけそうです。期間はここ2年内外でそのタイミングがくるように思います。引き続きフォローしていきます。」
このような報告を営業マンがしてくれたとしたら店長としては満足ではないでしょうか。車は今回売れませんでしたが次回の見込み客として考えることができるし、自社で販売した車を他メーカーに買い替えられることも現状ないので、メンテナンス顧客としての売上見込みも立つことになります。
このような報告と顧客管理ができる営業マンを育成し増やすことが上司の役割とも言えます。鉄は熱いうちに打て、です。新卒時から話し方、伝え方の指導を行っていただければと思います。