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2016年採用(就職)活動を振り返る
企業の採用意欲とエントリーの関係

就職ナビ大手マイナビによる2016年度新卒採用就職戦線総括という資料があります。2016年の企業と学生の採用(就職)活動(2017年卒対象)を振り返った資料です。これを見ると企業の採用意欲(マインド)と学生のエントリー数の関係が見て取れます。

■ことごとく採用数を増員

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2015年採用活動(2016年卒業者獲得)と2016年採用活動(2017年卒業者獲得)を比較すると、企業全体の採用予定数は対前年から19.1%増しとなっています。

文系の大学卒を増やすと答えている企業はアンケートにこたえた全体の26%。理系の大卒の採用増しを考えている企業が31.4%、理系の大学院卒の増員を考えている企業は18.8%でした。
業種別にみていくと、小売りが39.4%(約4割)増しと最も増員予定が多く、最も少ないのはマスコミの2.7%増し。
主な業種でみると、建設が13.2%増し、製造が12%増し、商社が14%増し、金融が13.1%増し、ソフトウェア・通信が18.4%増し、サービス・インフラが27.7%増し、官公庁・公社・団体が10.4%増しという結果でした。
労働集約型産業の典型である小売り業はここのところの景気先行き感をもって対前年比約4割増しの人員計画を立てているようです。

■エントリーを減らす学生

これに対し学生の行動意欲はどうでしょうか。行動意欲、つまりエントリー数をみていきたいと思います。

わかりやすいようにここ3年間の動きで比較していきます。2015年卒、2016年卒、2017年卒(2016年の採用活動の対象学生)。就職活動が進むにつれて当然エントリー数は減っていきます。ここは活動開始直後の1ヵ月の数字で比較してみます。

2015年卒のエントリー数は44.3社でした。2016年卒は35社、そして2017年卒は30.6社という結果です。年々エントリー数は減ってきていることがわかります。この傾向は2ヵ月目、3ヵ月目、4ヵ月目、5ヵ月目と時間が経過してもまったく同じ傾向です。

先の調査で、企業側は採用数を増やしていますが、学生側は反対にエントリー数を減らしていることがわかります。

■解禁1ヵ月目の合同説明会を重視

学生の行動意欲の指標として次に合同会社説明会への参加回数をみていきたいと思います。

エントリー数と同様2015年卒、2016年卒、2017年卒の3年間での比較です。広報活動解禁後1ヵ月間の数字でみていきます。

2015年卒は3.7回参加。2016年卒は4.1回。2017年卒は3.8回となっています。
広報解禁1ヵ月目の数字は各年度とも大きな開きはなく学生が解禁1ヵ月目に重点的に説明会に参加しているさまが見て取れます。2ヵ月目、3ヵ月目と時間の経過とともに参加数は年を追うごとに減少してきているので、学生は広報解禁1ヵ月目での参加を重視していることがわかります。

■スタートダッシュが大事

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これらの調査結果から企業も学生もスタート後1ヵ月がとても大事だということがわかります。

特に企業側は、売り手マーケットに移行する中で、自社にあった人財を獲得するための準備がかかせません。3月解禁の数ヵ月前から準備を始め、スタート月である3月はロケットスタートできるような段取りで考えたい。準備に時間を要する、インターン受け入れ態勢の確立や新卒採用専門サイトの整備などを今から(2018年卒採用に向け)しっかり行いたいものですね。