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ワークライフバランスのアピール

企業が、新卒採用の広報活動でアピールしているワークライフバランス。今どきの企業はいったいどんな点をアピールしているのでしょうか。
ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」のこと。内閣府のホームページに、ワークライフ憲章として以下の記述がありますので紹介します。「我が国の社会は、人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活が両立しにくい現実に直面している。誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない。」このように述べています。
では企業はどう考えているのでしょうか。

■女性労働力、子育て、介護

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企業が新卒採用時の広報活動で学生にアピールしている内容を多い順にみていきます。この数字は大手就職ナビ運営のマイナビが2016年6月に実施した調査結果をもとに紹介しています。まずは上位1位から10位を順に。

1位は「女性の育児休業取得後の職場復帰率」です。2位は「育児休業からの復帰後の時短勤務制度」です。3位は「残業がないこと・残業時間が少ないこと」。4位は「新卒採用者のうち女性が占める割合」。5位は「有給休暇の取得率」となっています。6位は「地域限定総合職採用」。7位は「介護休業制度」。8位は「管理職のうち女性が占める割合」。9位は「独自の子育て応援制度」。そして10位が「男性の育児休業取得率」という結果になっています。

核家族で夫婦二人以外に子供の世話ができる人がいない家庭が都市部で増えたこと、女性の社会活躍が本格的になってきたこと、高齢化社会での介護の問題。これらを受けて企業も、女性の働きやすさ、育児、介護の面にフォーカスして新卒学生にアピールしている現状が浮き彫りになっています。

■特に顕著な女性へのPR

具体的にみていくと、1位の「女性の育児休業取得後の職場復帰率」。これが各企業とも新卒学生に一番多くPRしている要素。昨今の就職(採用)現場をのぞいてみると、女性の採用率が上昇していて、企業によっては女性採用数が男性のそれを上回ったという報告をする企業も出てきています。
2位も女性採用を見据えた「育児休業からの復帰後の時短勤務制度」となっています。1位と2位が女性の育児休暇関連の内容に。これらの結果をみて、企業も今、女性を戦力のかなめと考えていることが見て取れます。

アピールの3位は、「残業がないこと・残業時間が少ないこと」です。働き過ぎと言われて久しい日本の労働環境ですが、今は働き過ぎはストレスの発生原因になったり病気の前兆とみられる時代です。残業がなかったり少なかったりすることをアピールポイントとしたい。このことは大いに納得できますね。4位も「新卒採用者のうち女性が占める割合」という女性へのアピールポイントが顔を出しました。5位は「有給休暇の取得率」でした。ワークライフバランス(仕事と生活の調和)という考え方では、有給休暇の上手な使い方も大事になってくるのでしょう。

6位は「地域限定総合職採用」です。もともと総合職とは会社業務全般を見渡して仕事をすることができる人財を育成するための職業制度。つまり全国区で仕事をする人たちです。ところがこれは地域限定とうたっているので、転勤はないけれども総合職として評価される職性といった意味合いの制度。総合職として働きたいけれど転勤はイヤといった人たちが増えているのでしょうか。7位は「介護休業制度」が入りました。街を歩いていてもシニアの姿を多く目にします。高齢化社会ですから、ご両親や祖父母の世話を見据えて仕事がしたい。こんな人が増えています。8位は「管理職のうち女性が占める割合」です。女性も働くからには役員まで昇進したいという希望や夢を持っている人が出てきています。9位は「独自の子育て応援制度」。10位が「男性の育児休業取得率」と最後に男性側へのアピールポイントを挙げています。