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インターン、秋冬実施が増えている

学生の就業体験イベントとして企業側が企画するインターン制度。
年々増加する傾向にありここ数年の学生売り手市場を受けてインターン実施が活発化してきていることはこれまで何度か記事として紹介してきました。インターン実施時期として今までは8月が最も多く次に2月実施という結果がマイナビ調査により報告されています(2017年3月卒業の学生へのインターン実施状況)。しかし2016年~2017年の採用活動(2018年3月大学卒業予定者の採用活動)では秋口から冬にかけてインターンを実施する企業が増えている様子です。

■学生は12月実施を希望

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2016年日本経済新聞朝刊11面にインターン秋冬実施の記事が出ていましたので紹介してみます。

(以下抜粋)
イトーヨーカ堂は年明けに初めて冬のインターンを実施する。商品開発や店舗運営の戦略構築を学生に体験してもらう。小売業は内需産業というイメージが強い。「海外との取引などもあることを説明し、商社を目指すような学生にも活躍の場があることを知ってもらいたい」(人事担当者)という。

富士ゼロックスは人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」をテーマにしたインターンを開催する。12月と来年1月のうち、合計5日間で約30人の参加を見込む。横浜市にある研究開発拠点で研究者と一緒にAIを活用したシステム構築に取り組んでもらう。同社はIoT分野の新サービス開発に力を入れている。「学生に事務機器メーカーと言う「印象を持たれているが、インターネットで自社が目指す事業の将来像を理解してもらいたい」(採用育成センター)との考えだ。

ベネッセコーポレーションも12月、教育関連アプリの開発や経営戦略、マーケティングをテーマにインターンを実施する。参加学生は来年2~3月に予定のインターンに優先的に参加できる。

就職情報のディスコ(東京・文教)によると、16年12月~17年2月にインターン実施予定企業は43%。各社は採用活動とは直結させていないが、前年に比べ11ポイント増えた。秋冬インターンを通じて少しでも自社を知ってもらいたいという焦りが背景にある。
学生の間でも秋冬に実施するインターンに参加したいという意欲が高まっている。就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)がこのほどまとめた調査では、18年春卒の学生の93.6%が「秋以降のインターンに参加したい」と回答した。参加したい時期(複数回答)では「12月」を選んだ学生が66.5%と最も多く、前年同期の調査に比べ5.1ポイント増えた。10月から来年2月まで全ての月で参加希望者の比率が前年同期を上回った。
(以上抜粋)

■インターン実施時期の見直しが必要

企業のインターン実施状況は、7月=12.9%、8月=62.7%、9月=45.6%、10月=15.0%、11月=19.6%、12月=27.0%、明けて1月=30.3%、2月48.9%となっています(マイナビ調査より2017年卒業者対象調査)。今回の日経記事では学生側は12月実施を希望、これに対し、過去、企業側は一概にはそのようには実施していないことが浮き彫りになります。8月は学生の夏休みもあって学生側も長期で連続して学校を休めるのでインターンを実施しやすい月であると推測できますが、10月以降(年が明け広報解禁になる)から2月までは、学生側から、12月実施希望という回答が寄せられていることを理解し、今後インターンの実施計画を企画することも検討する必要がありそうです。

自社戦力として有能な学生を採用したい企業とやりたい仕事ができる企業を探している学生。この両者のミスマッチをなくす最も有効な手段がインターンです。インターンをうまく活用できる企業が今後優秀な学生をミスマッチなく採用できる。こんな図式が拡がっています。