当世学生気質
お金への意識
今日は2016年10月大手就職ナビ、マイナビ調査による学生アンケートの結果を紹介します。アンケートは2016年に大学を卒業する学生を対象に行われたもの。今回は社会人になってからのお金に関する話題です。希望手取り額も出ているので、学生採用に関して今後、自社の給与の数値分析等(自社の給与に関して学生が満足してくれるのかどうか)で使えるのではないでしょうか。また学生=若い人=将来を占う上でのマーケティング対象者(若い人が指示しない商品サービスは衰退していく)ととらえると、支持されている業界の対応が見えてくることもあるかもしれません。
■給与金額への希望
給与に関しての希望。「社会人になってからのお金(給与・貯金)です。まず、手取りでもらいたい金額から。これは、源泉徴収システムにより額面金額と手取り金額が違ってくる。所得を考える時、問題は手取り金額であって額面金額ではありませんものね。文系男子は228,000円(同244,000円)です。理系男子は237,000円(同245,000円)。女性をみていくと、文系女子で193,000円(同199,000円)、理系女子で203,000円(同209,000円)という調査結果となっています。(カッコ内の数値は2015年卒業者対象のアンケート数値)。2016年卒は2015年卒よりも文系、理系、男性、女性全ての対象で金額が下回っていること。これはどうしたわけでしょうか。景気観は上がってきていると思われるのでこの部分はちょっとわかりかねる調査結果です。景気観が上がってきているので希望的観測(今後所得は上がっていくと予想されるの)で金額を少なく申告したということでしょうか。また、その他で気づくこととして、男性・女性とも文系よりも理系の方が給与の希望数値は高い数字となっています。これは理系の方がより専門的な学業に専念してきたことによる給与への希望感と捉えることができるのではないでしょうか。また大学院生が多いことも影響しているのかもしれません。
■景気観の高まりと共に趣味への消費が増えている
次は社会人になったらお金をかけたいモノへのアンケートです。多い順に紹介します。旅行40.4%(同38.8%)、貯金38.4%(同53.1%)、食事(飲み会)28.1%(同21.6%)、ファッション(衣服)26.7%(同23.7%)、本などの書籍21.9%(同18.5%)、家族への仕送り20.3%(同24.2%)、スポーツ16.3%、(同10.0%)、クルマ16.1%(同12.1%)、音楽15.9%(同12.8%)、映画・DVD12.7%(同9.8%)、ダイエット・美容10.5%(同9.1%)、投資9.5%(同11.3%)。(カッコ内の数値は2015年卒業者対象のアンケート数値)。このような数値になっています。興味を惹くところをみていくと、生活資金である、「貯金」と答えている人が2015年卒53.1%→2016年38.4%。「家族への仕送り」と答えている人が2015年卒24.2%→2016年卒20.3%。これに対して趣味性の高い、「旅行」/2015年卒38.8%→2016年卒40.4%。「食事飲み会」/2015年卒21.6%→2016年28.1%。「ファッション衣服」2015年卒23.7%→2016年26.7%。「本などの書籍」/2015年卒18.5 %→2016年21.9 %。「スポーツ」/2015年10.0%→2016年卒16.3%。「クルマ」/2015年卒12.1%→2016年卒16.1%。「音楽」/2015年卒12.8%→2016年卒15.9%。「映画・DVD」/2015年卒9.8%→2016年卒12.7%。「ダイエット美容」/2015年卒9.1%→2016年卒10.5%。と軒並み増加していることです。ここから推測されること。これは景気観があがってきたいるので、趣味部分へお金を使う意識が増えたということが推測されます。また、「投資」/2015年卒11.3%→2016年卒9.5%と下がっているのは、景気観が上がっている中、元本割れのリスクがある投資を避けて、着実にお金を得られる仕事に専念し趣味に没頭したいという考えに変化してきていることが想像できます。